日本の伝統的な醸造酒にはさまざまな種類がありますが、その中でも「どぶろく」と 「にごり酒」は見た目が似ているため混同されがちです。しかし、両者には明確な違いがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。
「その他の醸造酒」として、作られたものをどぶろく。
「清酒」として作られたものをにごり酒と呼ばれることが多いです。
製造方法はどぶろくとにごり酒はほぼ同じで、醸造した最後の工程で醪(もろみ)を濾すかどうかで分けることが多いです。
濾さないのがどぶろくで、濾したのがにごり酒と呼ばれることが多いです。
参照元:国税庁、その他の醸造酒について
日本に古くから伝わる手作りの醸造酒の一つで。米、米麹、水を原料として発酵させ、 通常はろ過を行わずにそのまま飲むため、米や麹の固形分が残った状態で提供されます。
飲み口
米の風味を存分に味わいたい人や、濃厚な口当たりを好む人におすすめです。
一方、にごり酒は、普通の日本酒よりもコクがありながら飲みやすく、初心者にも楽しみやすいお酒と言えるでしょう。
火入れ
どぶろくには火入れしないものも多く、発酵が進むことで味が変化しやすいため、飲むタイミングによって違う風味を楽しめます。
一方、火入れされているものは、比較的安定した味わいで開封後もある程度の期間は美味しく飲めるのが利点です。
通常の清酒(日本酒)と同じように発酵させた後、目の粗い布やフィルターで軽くこして作られるお酒です。
飲み口
どぶろくと比べると、米の粒や固形物が少なく、滑らかな飲み口になり、にごり酒は、どぶろくと異なり「日本酒(清酒)」として分類されます。
そのため、一般的な酒蔵で製造・販売されており、全国の酒造メーカーがにごり酒を販売しています。
酒税法上、その他の醸造酒(どぶろく)は20度未満、清酒(にごり酒)のアルコール度数は、22度未満と定められていますが、どぶろく、にごり酒とも清酒と同じ工程で醸造されるので、アルール度数も13〜16度程度と同じくらいが多いです。
同じくらいの度数に規定があるのは、アルコールに強い酵母ですが、20度付近まで来ると死滅してしまうためそれ以上のお酒は作れないので、そういった規定ができたのでしょう。
20度以上のお酒を作るには蒸留器を使って度数を高める必要があり、そうなると焼酎やリキュールに変わってしまいます。
どぶろくはウイスキーやブランデーのようなカテゴリー分けされたものではなく、日本酒と同じ「清酒」に分類されます。
例えば、バーボンやスコッチ、シングルモルトなどはウイスキーの一種として分けられていていますが、酒税法上はすべてウイスキーにカテゴライズされます。
ですので酒税法上は清酒ですが、商品名としてどぶろくを名乗っているものもあります。
今では、個人が1%以上のアルコールを作ることは法律で制限されています。ただし、「どぶろく特区」と呼ばれる地域では、
特定の条件を満たすことで自家醸造が許可されており、地域特産品としてどぶろくが作られることがあります。
大阪では高槻市がどぶろく特区に指定されています。
参照元:国税庁 どぶろく特区